【2025年最新】活用ケース別 補助金の見つけ方

数ある補助金の中から自社に最適な補助金を見つけることは、なかなか骨の折れる仕事です。この記事では、ケース別に、自社に合った補助金を見つける方法を解説します。
補助金を起点に事業計画を作る罠
補助金を利用することで事業に必要な資金を賄えるという魅力に惹かれる方も多いかと思います。しかし、補助金を起点に事業計画を作ることは非常に危険であり、失敗のもとになります。その理由と、正しい考え方について解説します。
補助金ありきの事業計画が失敗する理由
- 事業の本質が見えなくなる 補助金を取得すること自体が目的化すると、本来の事業の目的や顧客に提供する価値が見えなくなります。結果として、市場や顧客ニーズを無視した計画になりがちです。
- 補助金の条件に縛られる 補助金にはさまざまな制約や条件があります。その条件に合わせて事業を進めるうちに、本来の事業計画が歪み、意図しない方向に進むリスクがあります。
- マイナスを背負う可能性 補助金の取得には自己資金の負担が求められる場合が多く、また補助金が出るタイミングも事業開始後になることがほとんどです。資金繰りが厳しくなり、マイナスを背負って事業を進める羽目になることもあります。
- 補助金終了後の継続性がない 補助金頼みで始めた事業は、収益計画が甘く赤字体質になりがちで、継続不可能になるケースが少なくありません。また、本業にも悪影響が出るケースも少なくありません。廃業に追い込まれたケースもいくつかみてきました。
補助金の正しい活用方法
補助金は「事業を進めていく上でうまく活用できた!」と感じられるような使い方が理想です。以下のステップを踏むことが大切です。
- 事業計画をまず作成する 経営理念やビジョン、ミッション・パーパスに沿った自社の目標、提供する価値、ターゲット市場、収益モデルなどを明確にし、自社の資金やリソースで実現可能な事業計画を作る。
- 補助金を上手に活用する 作成した事業計画を基に、必要な資金や投資を計算し、補助金がその一部を補えるのであれば活用を検討します。補助金は、事業を後押しする補完的な存在と位置づけるべきです。
- 補助金がなくても成立する計画を立てる 補助金が取れなくても事業が回るような計画を立てることが重要です。そうすることで、資金の不安に左右されることなく事業を進めることができます。
- 申請準備は計画的に 補助金の申請には多くの時間と労力がかかります。事業の進行に支障が出ないよう、準備は計画的に進めます。
それでは、ケース別に使える補助金を見ていきましょう。
【ケース1】新商品・サービスを新規顧客に提供したい場合に使える補助金

新たな商品やサービスを新規顧客に提供する計画がある方は、2025年度に新設される予定の「中小企業新事業進出補助金(仮称)」を検討されてはいかがでしょうか?以下が補助金の概要となります。
- 目的: 中小企業が新たな市場や高付加価値事業への進出を支援し、企業の成長や賃上げを促進することを目的としています。
- 補助上限額: 従業員数に応じて以下の通りです。
中小企業新事業進出補助金(仮称)の補助金額と対象経費

- 補助率: 1/2
- 補助対象経費: 建物費、構築物費、機械装置・システム構築費、技術導入費、外注費、広告宣伝・販売促進費などが含まれます。
- 事業実施期間: 交付決定日から14か月以内(ただし、採択発表日から16か月以内)
申請の基本要件
- 新規事業への挑戦: 事業者にとって新製品(または新サービス)を新規顧客に提供する新たな挑戦であること。
- 付加価値額の増加: 年平均成長率が+4.0%以上増加すること。
- 給与支給総額の増加: 1人あたりの給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県の最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上、または給与支給総額の年平均成長率+2.5%以上増加すること。
- 事業所内最低賃金の引き上げ: 地域別最低賃金+30円以上の水準とすること。
- 一般事業主行動計画の公表: 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表すること。
詳細な公募要領は2025年4月までに公表される予定です。
注意点
- 大幅賃上げ特例: 事業終了時点で、事業所内最低賃金を+50円、給与支給総額を+6.0%達成する事業計画に取り組む場合、補助上限額が上乗せされます。
- 補助下限額: 750万円に設定されています。
- 収益納付: 本補助金では収益納付は求められません。
- 補助金返還: 基本要件の未達成時には、未達成率に応じて補助金の返還が求められる場合があります。
新商品やサービスの提供を検討されている中小企業の皆様は、早めの事業計画策定と最新情報の収集をおすすめします。
【ケース2】M&Aで事業拡大したいときに使える補助金

この補助金は、事業承継やM&Aを通じて事業拡大を目指す企業にとって、非常に有用な制度です。
事業承継・M&A補助金の概要
この補助金は、以下の4つの支援枠に分かれています:
- 事業承継促進枠:親族内承継や従業員承継を行う企業が対象で、補助上限額は800万円から1,000万円です。対象経費には、設備費、産業財産権関連経費、謝金、旅費、外注費、委託費などが含まれます。
- 専門家活用枠:M&Aの実施前に専門家を活用する際の費用を支援します。書いて支援と売り手支援とそれぞれ補助金額が異なりますが、買い手支援の上限額は最大2,000万円に増額されており、補助率も条件により引き上げられる場合があります。
- PMI推進枠:M&A後の経営統合(PMI)を推進するための費用を支援する新設の枠です。PMI(Post Merger Integration)とは、M&A成立後に行われる統合プロセスで、経営・業務・意識などを統合し、シナジー効果や企業価値の向上を目指します。
- 廃業・再チャレンジ枠:廃業を伴う事業再編や再チャレンジを支援する枠です。具体的な補助内容や上限額については、今後の詳細発表を待つ必要があります。
PMI(Post Merger Integration)とは
PMIとは、M&A後の経営統合を行うプロセスを指します。具体的には、以下の統合を進めることが重要です:
- 経営統合:経営方針や戦略の統一
- 業務統合:業務プロセスやシステムの統合
- 意識統合:企業文化や従業員の意識の統一
PMIの成功は、M&Aの効果を最大限に引き出すために不可欠であり、シナジー効果の実現や企業価値の向上につながります。
【ケース3】ロボット導入など省人化・省力化に使える補助金

省力化や省人化を目指す中小企業にとって、ロボット導入などの設備投資は生産性向上の鍵となります。これらの投資を支援するために、「中小企業省力化投資補助金」が設けられています。特に、令和7年からは新たに「一般型」がスタートし、より柔軟な投資計画が可能となりました。
省力化投資補助金の概要
省力化投資補助金は、人手不足に悩む中小企業等がIoT機器やロボットなどの省力化製品を導入する際、その費用の一部を補助する制度です。これまでは中小企業庁が提供する製品カタログに掲載された製品を導入する「カタログ注文型」のみが存在していましたが、令和7年からは「一般型」が新設され、オーダーメイドの設備導入やシステム構築が可能となりました。
一般型の特徴
一般型は、中小企業等の個別の現場や事業内容に合わせた設備導入やシステム構築を支援します。これにより、業務プロセスの自動化・高度化、ロボット生産プロセスの改善、デジタルトランスフォーメーション(DX)など、多様な省力化投資が可能となります。
補助金額と補助率
一般型の補助上限額と補助率は、従業員数に応じて以下のように設定されています。

導入イメージ
省力化投資補助金の一般型を活用することで、各業種において以下のような省人化・省力化の取り組みが可能です。
製造業
- 自動化設備の導入:組立ラインにロボットを導入し、製品の組立作業を自動化することで、作業効率を向上させます。
- 品質検査の自動化:画像認識技術を活用した検査装置を導入し、製品の品質検査を自動化することで、検査精度とスピードを向上させます。
飲食業
- 自動配膳ロボットの導入:自動で料理を運ぶロボットを導入し、スタッフの負担を軽減するとともに、サービスの効率化を図ります。
- セルフオーダーシステムの導入:タブレット端末を各テーブルに設置し、顧客自身で注文を行えるようにすることで、注文ミスの削減とスタッフの業務負担を軽減します。
小売業
- 自動レジシステムの導入:セルフレジや無人レジを設置し、会計業務の効率化と顧客の待ち時間短縮を実現します。
- 在庫管理の自動化:RFIDタグを活用した在庫管理システムを導入し、在庫確認や発注業務を効率化します。
物流業
- 自動搬送ロボットの導入:倉庫内での商品のピッキングや搬送を自動化するロボットを導入し、作業効率と正確性を向上させます。
- 配送ルートの最適化システム:AIを活用した配送ルート最適化システムを導入し、配送効率の向上と燃料費の削減を図ります。
医療・介護業
- 介護支援ロボットの導入:移乗や歩行支援を行うロボットを導入し、介護スタッフの負担軽減と利用者の安全性向上を実現します。
- 電子カルテシステムの導入:紙ベースのカルテ管理を電子化し、情報共有の迅速化と業務効率の向上を図ります。
【ケース4】海外事業展開や革新的製品・サービス開発に使える補助金

令和6年度補正予算で「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の詳細が発表されました。この補助金は、中小企業・小規模事業者等の生産性向上や持続的な賃上げを支援するため、新製品・新サービスの開発に必要な設備投資等を支援するものです。また、本年度はグローバル枠が設けられており、海外展開時の費用にも使うことができます。
ものづくり補助金の詳細
各枠の補助率、補助上限額、概要は以下のとおりです。
- 製品・サービス高付加価値化枠
- 概要: 革新的な新製品・新サービスの開発による高付加価値化を支援します。
- 補助率:
- 中小企業: 1/2
- 小規模事業者・再生事業者: 2/3
- 補助上限額

- グローバル枠
- 概要: 海外事業の実施による国内の生産性向上を支援します。
- 補助率:
- 中小企業: 1/2
- 小規模事業者: 2/3
- 補助上限額:
- 3,000万円(大幅賃上げ特例適用後: 3,100万円~4,000万円)
大幅賃上げ特例
以下の要件を両方達成することで、補助上限額が100万円~1,000万円上乗せされます。
- 給与支給総額の年平均成長率が+6.0%以上増加
- 事業所内最低賃金が地域別最低賃金+50円以上の水準
注意点
- 事業計画の策定: 3~5年の事業計画を策定し、毎年事業化状況報告を提出する必要があります。
- 基本要件の未達時: 基本要件等が未達の場合、補助金の返還義務があります。
- 申請準備: 申請には詳細な事業計画や各種書類の準備が必要です。早めの準備をおすすめします。
共通の補助対象経費
- 機械装置・システム構築費(必須経費): 生産性向上に必要な機械や設備、システムの導入費用。
- 技術導入費: 新技術の導入に伴う費用。
- 専門家経費: 専門家からの指導や助言にかかる費用。
- 運搬費: 機械や設備の輸送にかかる費用。
- クラウドサービス利用費: 生産性向上のためのクラウドサービスの利用料。
- 原材料費: 試作品の製作等に必要な原材料の購入費用。
- 外注費: 外部業者への業務委託費用。
- 知的財産権等関連経費: 特許取得等にかかる費用。
グローバル枠のみで追加される補助対象経費
- 海外旅費: 海外市場調査や商談等のための渡航費用。
- 通訳費や翻訳費: 海外展開に必要な通訳・翻訳にかかる費用。
- 広告宣伝費や販売促進費: 海外市場向けの広告やプロモーション活動にかかる費用。
【ケース5】創業時や小規模事業者が使える補助金
令和6年度補正予算における「小規模事業者持続化補助金」は、地域の小規模事業者の生産性向上と持続的発展を支援するため、経営計画に基づく販路開拓等の取り組みを支援する制度です。
小規模事業者持続化補助金の概要
類型別の補助上限額
以下に、各類型ごとの補助上限額をまとめました。

補助対象経費

※「災害支援枠」の場合、上記に加えて車両購入費も補助対象経費となります。
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※本記事の内容は2025年1月10日時点の情報に基づいております。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。
